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令和3年度最低賃金引上げと助成金の活用

令和3年度最低賃金引上げと助成金の活用

令和3年度の最低賃金引上げと、それに関連する助成金をテーマの中心として、記載します。

最低賃金引上げに関連した助成金の特例措置に関して ~賃上げのタイミングも重要なポイント~ (2021/8/7記載)

■2021年10月の地域別最低賃金引上げ発効の前に自社の賃金を引き上げるか、後に賃金を引き上げるかによって適用有無が変わる事があるので、注意が必要です。

以下の7/30記載、7/28記載のコラムにあるように、2021年の最低賃金引上げに関して、中小企業への影響を緩和させる目的で、いくつか助成金に関する特例措置が設けられています。

この特例の要件の1つに「賃上げ」があります。

「業務改善助成金」については、20円以上の賃上げが必要ですし、雇調金の休業規模要件の緩和については、30円以上の賃上げが必要です。

そして、既に記載の通り、「賃上げのタイミング」も重要です。地域別最低賃金(以下、単に「最低賃金」といいます。)の引上げが行われる前に、自社内最低賃金の引き上げを行うか、後に行うかによって、対象となる場合とならない場合があるのです。

人件費を出来るだけ抑制しながら、助成金を受給する観点に立つならば、最低賃金引上げ前に賃上げを行う事がポイントとなります。

この点、イメージが分かりやすいように、以下に図解しました。参考にご覧ください。

 

「業務改善助成金」や「雇調金休業規模要件緩和」の対象となるケース、ならないケースのイメージ

(例)神奈川(最低賃金 引上げ前1,012円、引き上げ後1,040円)、引上げ日が10月1日の場合。


【ケース1 】最低賃金引上げの発効前に30円引き上げたため、業務改善助成金の30円コースや雇調金の休業規模要件緩和の対象となる。


【ケース2 】最低賃金引上げの発効後に30円引き上げたため、業務改善助成金の30円コースや雇調金の休業規模要件緩和の対象とはならない。

※最低賃金引上げ後に賃上げする場合は、引き上げ後の最低賃金(この場合、神奈川1,040円)よりさらに30円(この場合、1,070円)以上引き上げないと特例の対象とならない。下図は最低賃金より+2円しか引き上げられていないため、対象外となる。


【ケース3 】最低賃金引上げの発効後に最低賃金(1,040円)よりもさらに30円引き上げた(当該会社の時給を+58円賃上げ)ため、業務改善助成金の30円コースや雇調金の休業規模要件緩和の対象となる。

最低賃金を引き上げた中小企業への雇用調整助成金等の要件緩和(2021/7/30記載)

■2021年10月から12月、事業場内最低賃金を引き上げる中小企業については、雇調金を休業規模要件(1/40(2.5%)以上)を問わず支給。

 7月30日厚生労働省発表によると、本年10月からの最低賃金引上げに関する中小企業の支援策として、雇用調整助成金の支給要件緩和が行われます。その概要は以下の通りです。

  • 業況特例または地域特例(※1)の対象となる中小企業が、事業場内で最も低い時間給を30円以上引き上げる場合(※2)、令和3年10月から12月までの3ヶ月間の休業については、休業規模要件(1/40以上)を問わず雇調金を支給

(※1)業況特例とは、雇調金の支給申請時の直近3カ月間とその前年同期または前々年同期を比較し▲30%以上売上高や生産高が減少している場合に対象となります。また、地域特例とは、緊急事態措置またはまん延防止措置に基づき、都道府県知事からの要請に応じ営業時間短縮や酒類提供自粛などを行う事業主が対象となります。

(※2)対象企業は、賃上げ前の事業場内最低賃金(当該事業場内の最も低い時給)と地域別最低賃金(ex.東京の場合、時給1,013円)との差が30円以内である事が必要です(ex.東京の場合、賃上げ前(かつ2021年最低賃金引き上げ前)の時給が1,043円以内)。

従前の雇調金特例措置(今回の特例措置実施前)の要件はというと、休業規模2.5%以上が必要でした。

休業規模とは、従業員一人平均で何%の休業をさせたか、を言います。例えば月の営業日数20日間の会社において、従業員1人につきそれぞれ月1日休業させれば5%の休業をさせたことになります(1日÷20日=5%)。ということは、従業員2人のうち1人だけ、1日づつ休業させれば、休業規模2.5%となり、従前の雇調金特例措置の対象となる、という事になります(1日÷(20日×2人)=2.5%)。

今回の新たな特例措置は、この休業規模要件がなくなります(休業ゼロではもちろん対象外ですが、わずかでも行えば対象となり得ます)。例えば、従業員3人のうち1人を1日休業させた場合(つまり、休業規模約1.7%(1日÷(20日×3人)))であっても、雇調金の支給対象となり、休業に対して支払った休業手当は助成金の対象となり得ます。

この特例の適用可否の判定には、「賃上げのタイミング」も重要となってきます。10月の最低賃金の引上げ発効前に事業場内最低賃金を賃上げするか、後に賃上げするか、によって、要件にある「事業場内最低賃金を30円以上引き上げた」と言えるか否かの判断が変わる事があるのです。

最低賃金引き上げ後に賃金を上げる場合は、当該引き上げ後の地域別最低賃金よりも30円以上高い水準で事業場内最低賃金を引き上げる必要があります。(ex.東京の最低賃金が1,041円になった後で事業場内最低賃金を引き上げる場合には、この助成金の特例対象となるためには、1,071円以上に設定する必要あり)

ただ、以下は個人的見解ですが、本特例措置は賃上げタイミングが重要であるなど、要件がやや複雑であります。また仮に要件に合致したとしても、特例の内容自体があまりインパクトの大きいものとも言えないことから(もともと休業規模要件の緩和が既に行われてきた経緯があり、既に2.5%まで緩和されているので)、あまり活用されるケースは多くないかもしれません。

 

【当事務所は助成金の活用について、あらゆるご相談に応じておりますので、是非お気軽にご相談下さい。】

 

令和3年度最低賃金の動向と「業務改善助成金」の適用緩和(2021/7/28記載)

■最低賃金増加による人件費への影響

中央最低賃金審議会は7月14日、2021年度の最低賃金を全国平均で28円を目安に引き上げ、時給930円とすると決めました。今後、各都道府県別に最低賃金審議会が開かれ、目安額を参考にしながら決定される訳ですが、目安通りに決定されるなら、本年10月以降、最低賃金は次のように引き上げられる事になります。

東京  <現行> 時給1,013円 ⇒ <2021年10月以降(見通し)> 1,041円(+28円)

神奈川 <現行> 時給1,012円 ⇒ <2021年10月以降(見通し)> 1,040円(+28円)

ここ数年、(昨年を除き)毎年3%程度アップしているため、パート、アルバイトの時給を最低賃金ぎりぎりで設定している企業は多いと思われます。とすると、今回の最低賃金増は、そのまま人件費増につながることになります。

仮に月100時間程度稼働しているパート・アルバイトの場合、時給28円の引上げは、月あたり2,800円の人件費増となります。もし10人いれば、月あたり28,000円の増、年間でおよそ34万円の人件費増となります。社会保険に加入していれば、保険料もその分増加する事となります(正確には標準報酬月額の増加に応じて、その約15%の保険料増)。

中小企業にとっては、決して小さくないインパクトと言えます。

■最低賃金の増額に関連した『業務改善助成金』

業務改善助成金とは、中小企業・小規模事業者の生産性向上を支援するものです。事業場内で最も低い賃金(事業場内最低賃金)を一定額以上引上げつつ、生産性向上のための設備投資(機械設備、POSシステム等の導入)などを行うと、その設備投資などにかかった費用の一定割合(最大5分の4。事業場内最低賃金900円以上の場合)について助成金を受け取れます。

ポイントは、10月の最低賃金引き上げよりも前に賃上げを行なえば、最低賃金の増額に対応しつつ、助成金も受け取れるという点です。逆に、賃上げを最低賃金引き上げ後(10月の発効日以降)に行うと、改定後の最低賃金よりも更に一定額(時給20円以上)を引き上げなければなりません。人件費増をなるべく抑えるならば、賃上げのタイミングが、最低賃金発効より前に行われなければなりません。

■『業務改善助成金』について、特例的な要件緩和・拡充を実施

コロナ禍において、業績が大変厳しい中小企業が多いところですが、そこに最低賃金の3%引上げ(全国加重平均)という、企業にとってダブルパンチの状況と言えます。そうした中、国は中小企業の負担感緩和の意図より、令和3年8月から、業務改善助成金を特例的に要件緩和・拡充する事を発表しました。

対象は、主に「特に業況の厳しい事業主」とし、具体的には前年又は前々年比較で売上等が▲30%減少している事業主です。

特例措置の内容概略は以下となります。

①対象人数の拡大・助成上限額引上げ
 現行では、賃金引上げ対象人数について、最大「7人以上」としているところ、最大「10人以上」のメニューを増設し、助成上限額を450万円から600万円へ拡大。

②設備投資の範囲の拡充
 現行では自動車(特種用途自動車を除く)やパソコン等の購入は対象外。コロナ禍の影響を受ける中にあっても、賃金引上げ額を30円以上とする場合には、以下の通り、生産性向上に資する自動車やパソコン等を補助対象に拡充。
・乗車定員11人以上の自動車及び貨物自動車
・パソコン、スマホ、タブレット等の端末及び周辺機器(新規導入)

 

上記特例措置は、大きく売上を落とした事業主が対象です。しかし、それ以外の事業主も、従前の『業務改善助成金』はもちろん活用できますので、最低賃金引上げへの対応で厳しい中でも、積極的に設備投資して生産性向上を目指したい企業にとっては、非常に有効な助成金ですので、是非活用をご検討頂ければと思います。

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