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現行法において、一定の要件を満たす短時間労働者に社会保険が適用される、常時500人超の事業所を「特定適用事業所」といいます。
特定適用事業所の範囲が、2020年6月5日公布の法改正により、順次、より小規模な企業へと適用拡大される事になります。具体的には、2022年10月から常時100人超の事業所、2024年10月から常時50人超の事業所が特定適用事業所となります。
これにより、新たに適用対象となる特定適用事業所については、様々な対応を迫られる事となりますので、本コラムではそれらにどのように対応していくべきか、考えていきたいと思います。
順次更新していきますので、よろしくお願いします。
■キャリアアップ助成金 短時間労働者労働時間延長コースのご紹介
短時間労働者に社会保険適用が拡大されると、会社として一番大きな課題は、社会保険料コストの増加ではないかと思います。1人当たり社会保険料コストは、おおよそ年間20万円程度です。人数が少なければそれほど大した影響ではないかもしれませんが、例えば流通小売業や飲食業など、パートタイマーが多く働く業種では、対象者が50人、100人となる事もあり、その影響額は数百万円~数千万円に上るなど、莫大です。
そこで、本稿では、こうした事態において活用できる助成金をご紹介します。ここでご紹介するのは『キャリアアップ助成金 短時間労働者労働時間延長コース』です。
■移行パターン「社会保険適用&手取り維持・増加型」に活用できる助成金
この助成金は、簡単に言うと、短時間労働者の週所定労働時間を5時間以上延長した上で新規に社会保険の被保険者とすることで受給できます。
助成金の額は、中小企業の場合で1人当たり225,000円(生産性要件に該当すると284,000円)です。よって、最初の1年間の社会保険料が概ね当該助成金によって補てん出来るので、企業にとってメリットが大きいです。なお、最大で45人分まで受給できますので、生産性要件に該当する場合で最大1,200万円超の助成金を受給出来ます。なお、この支給金額および上限人数は、2022年9月30日まで時限的に増額・緩和された措置となっています。
また短時間労働者にとっても、週所定労働時間を5時間以上延長する事は、社会保険適用後も概ね手取り収入を維持できることになるので、メリットが大きいです。
■所定労働時間を週30時間以上(正社員の3/4以上)に延長し、2022年9月までに社会保険適用させるのがメリット大か。前もって短時間労働者と今後の働き方について、コミュニケーションを深める事が重要。
既に以下のコラムで述べたように、2022年10月の社保適用拡大に向けて、短時間労働者に今後の働き方の意向を調査した上で、会社の必要要員数を勘案し、労働時間を短縮して社保適用を回避する人、労働時間を維持または延長して社保を新規に適用していく人を見極めていく事が必要になります。
しかし、助成金の事も併せて考えると、2022年10月を待たずに、先んじて9月までに社保新規適用した方がメリットが大きい可能性があります。というのも、この助成金は上記で述べた通り、2022年9月30日までの間、支給金額および上限人数が増額・緩和されているためです。
短時間労働者の中には、一定程度次のように考えている人もいると思います。
「これまでパートタイマーとして配偶者の扶養の範囲内(年収130万円以内)で働くことを前提に考えてきたが、今後はどうせ社会保険の被保険者となるのであれば、社会保障を手厚く受けながら、一方で働く時間を延ばして手取り収入も増やしていきたい。またそうする中でより責任のある仕事にもチャレンジしていきたい。」と。
このような志向を持っている人は、労働時間を週30時間以上(正社員の3/4以上)にまで延ばす事で、2022年10月の適用拡大を待たずに社会保険を適用する選択肢も十分にあるのではないかと思います。そしてその上で、金額・上限人数の要件が緩和された助成金も受給する事が可能となります。
もちろん、労働者の意向だけでなく、会社としての要員計画や人件費予算との兼ね合いにもなりますので、いずれにしても、社会保険適用拡大の法改正をきっかけとして、短時間労働者とじっくりとコミュニケーションを図りながら、労使双方の考えをすり合わせ、両者が納得できる今後の働き方を模索していく事が大切だと思います。
【当事務所は助成金や労務相談に幅広くお応えします。お気軽にご相談下さい】
参考:厚生労働省リーフレット |
下記コラムに既に記載しましたように、常時100人超(厚生年金被保険者ベース)の企業においては、2022年10月から、短時間労働者に対して一定の要件を満たすと被保険者となります。
このことは、労使双方に大きな影響を及ぼすため、前もって丁寧に準備を進めていくことが望まれます。
■短時間労働者への社会保険適用の影響について
まず、社会保険が適用拡大される事の影響についてポイントを整理します。
■現時点で、国年3号被保険者(配偶者の扶養親族)にあたるかどうかで受ける影響は大きく異なる
法施行前に短時間労働者が ①国年1号被保険者&国保被保険者(いずれも自ら保険料を納めている人)か、 ②国年3号被保険者&健保被扶養者(自らは保険料を納めていない人)かによって、受ける影響は大きく異なります。
上記①の場合、当該労働者はもともと国民年金保険料を月額16,610円(令和3年度)自ら支払っています。また、国民健康保険料は自治体や被保険者の所得によって異なりますが、均等割額だけでも月額4~5千円かかると仮定すると、合計で概ね月額2万円程度負担しているものと考える事ができます。
そして、①に該当する人が今回、被用者保険の被保険者となると、保険料が労使折半となりますので、結果的に本人負担額はこれまでよりも軽くなる場合があり、更には社会保障が手厚くなりますので、本人にとってのメリットは大きいと言えます。
一方で、いわゆるサラリーマンの妻などの国年3号被保険者、健保被扶養者にあたる人は、これまで本人は保険料を支払っていないため、今回新たに被用者保険の被保険者となると、保険料負担が純増するかたちになります。よって、負担感は大きく感じられるものと言えます。
社会保障の充実などプラスの側面は多くありますが、②の人にとって「社会保険料負担の増加」が大きな問題となり得ます。
■社会保険料は労使それぞれが概ね報酬の15%程度を負担します。パートタイマー1人あたり、労使それぞれが概ね年額20万円程度の社会保険料を負担する事になります。
実際の社会保険料の負担はどの程度となるでしょうか。
社会保険料は、報酬を標準報酬月額の等級表に当てはめて決定される「標準報酬月額」に保険料を乗じて算出されます。保険料は基本的に労使折半のため、会社・労働者それぞれ概ね半分づつ負担する事になります。
ここでは、大まかなイメージをつかんで頂くために、会社、労働者それぞれの負担する保険料率を15%として(労使合計で30%)、また簡便に、標準報酬月額ではなく実際の報酬の支給額を用いて計算してみる事にします。
(ちなみに、社会保険料は健保、厚年、介護、子育て拠出金(会社負担のみ)から成り、協会けんぽ東京支部の場合の保険料率は正確には会社負担分が15.33%、労働者負担分が14.97%となっています(令和3年3月~の料率適用))
<パートタイマー 月額報酬100,000円の場合 大まかな保険料イメージ額>
労使それぞれ、毎月1.5万円程度の保険料を負担する事となるわけです。
労働者の立場で見ると、これまで手取り10万円もらっていた人が、今後は社会保険料を1.5万円控除され、手取り8.5万円となります。
会社の立場で見ると、新たに社会保険料が1人につき月額1.5万円増加、年額にすると18万円のコスト増となります。例えば、もしパートタイマーが30人いる会社の場合は、新たに年額540万円程度のコストを負担する事になり、特に中小企業にとっては、影響はかなり大きいと言えるでしょう。
■2022年10月の社会保険適用拡大に向け、常時100人超の事業所は、労働者の意向も踏まえながら丁寧に説明、制度移行への対応を図る事が求められます。
上記の通り、労使双方にとって影響が大きい社会保険適用拡大ですが、それだけに前もって労働者への制度の周知や今後の働き方に関する意向調査、それら意向を踏まえた雇用契約見直しの検討などを、計画的に進めていく事が肝要です。
まずは、法律の改正に関する情報提供から始めます。その上で、必要に応じて、パートタイマー向けに説明会の開催、個別面談の実施を行い、今後の働き方の意向調査を行うと良いでしょう。
労働者としては、被保険者になるのを機に手取り減少を避けるために労働時間を増加させたい、と思う人もいるでしょう。また逆に、現状の健保被扶養者・国年3号被保険者が、その資格を維持するために、労働契約を見直し、週20時間未満に短縮した働き方を希望する人も一定数出てくるものと考えられます。
こうした労働者の意向を把握し、雇用契約を個別に見直す事は、各労働者の勤労意欲を引き出す事に繋がりますし、また労働時間を延長する人と、週20時間未満に短縮する人がうまくバランスして制度意向を図れれば、会社としてはコスト負担を出来るだけ抑えつつ、既存のリソースを最大限活用することにも繋がります。
前もって計画立てて、労働者とコミュニケーションを図りながら丁寧に対応していく事が、現実的な対応として求められます。
■雇用契約の見直しの方向性は、主に3つのパターンに集約
法施行を機に、短時間労働者(主に週所定労働時間20時間以上30時間未満の労働者)は、各労働者の意向を踏まえ、個別にそれぞれ次のようなパターンを選択しながら、働き方の見直しが図られていくと考えられます。
【パターン1:社会保険適用回避型】
週所定労働時間を20時間未満に短縮(例えば、週3日勤務×6時間=18時間 など)
このパターンには一つ大きな問題があります。それは、週20時間未満となる事で、「雇用保険」の資格も喪失してしまう事です。
雇用保険は、失業等給付や育児休業給付、介護休業給付といった労働者の重要なセーフティネットの役割を持っていますので、このパターンの選択を行う際には、そうしたデメリットも十分に考慮して判断しなければなりません。会社は労働者に対して、しっかりと説明しないと後日トラブルにもなり兼ねませんので注意が必要です。
【パターン2:社会保険適用&手取り維持・増加型】
週所定労働時間を現状よりも5時間以上を目安に延長(例えば週20時間勤務の人が週25時間勤務となる など)
こうした選択が可能な労働者にとっては、収入の増加と社会保障の充実が両立でき、メリットが大きいです。会社としては、パターン1とのバランスを見ながら、総額人件費や業務量を想定しつつ、契約見直しの人数などを見極める必要があります。
【パターン3:社会保険適用&手取り減少型】
所定労働時間を特に変えないまま、社会保険を新規に適用(例えば週20時間の人を週20時間のままで移行)
以上のように、主に3つのパターンが想定されるます。
労働者に対して出来る限り、前もってこうした選択肢を提示し、それぞれのメリットやデメリットを十分に理解してもらいながら、雇用契約の見直しを図りつつ社会保険の適用拡大にスムーズに移行を進める事が重要です。
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常時100人超の事業所において、2022年10月から新たに社会保険の被保険者となる短時間労働者とは、次のすべてに当てはまる労働者です。
・週の所定労働時間が20時間以上であること ・雇用期間が2か月を超えて見込まれること ・賃金の月額が88,000円以上であること ・学生でないこと |
では、これらについて、以下に詳しく見ていきたいと思います。
■「週の所定労働時間が20時間以上であること」について
<基本的には所定労働時間は労働契約の内容で判定する>
週の「所定労働時間」とは、就業規則や雇用契約書等により、その労働者が通常の週に勤務すべき時間を指します。例えば、勤務日が毎週月・水・金の週3日で、各日7時間勤務であれば、週所定労働時間は3日×7時間=21時間となり、要件に該当する事になります。
これが例えば、各日の勤務を6時間30分とすれば、週所定労働時間は3日×6.5時間=19.5時間となり、要件に該当せず、社会保険の対象とはなりません。
<労働契約の内容と実際の労働時間が異なるとき、またはそもそも所定労働時間が不明確なときはどうなるか>
たとえば、上の例で、週19.5時間(6.5h×3日)の雇用契約書を締結している場合で、実際の労働時間が、所定労働時間を超える事が常態化し、結果的に週20時間を超える場合はどのように判断されるでしょうか。
この場合、労働の実態を把握し、週平均20時間以上の勤務となっているかどうかで判断されます。
この点、厚生労働省の「短時間労働者に対する健康保険・厚生年金保険の適用拡大Q&A集(第2版(平成28年9月30日更新))」(以下「Q&A」といいます。)に次のように記載されています。
問 18 の2 就業規則や雇用契約書等で定められた所定労働時間が週 20 時間未満である者が、業務の都合等により恒常的に実際の労働時間が週 20 時間以上となった場合は、どのように取り扱うのか。
(答)実際の労働時間が連続する2月において週 20 時間以上となった場合で、引き続き同様の状態が続いている又は続くことが見込まれる場合は、実際の労働時間が週 20 時間以上となった月の3月目の初日に被保険者の資格を取得します。
つまり、2か月連続で週20時間以上の状態が続き、さらにその状態が続く見込みであれば、3か月目から、被保険者となります。
一方、この残業が続いた月が恒常的なものではなく、繁忙期による事が原因で、繁忙期が過ぎれば週20時間未満の労働時間となる見込みであれば、被保険者とはならないと考えられます。
別の例で、雇用契約書において労働時間が「シフトにより定める」と記載されていたり、「週20時間以内」や「週3~4日、1日6時間以内」などと幅をもって記載され、不明確な場合です。パートやアルバイトを多く使用し、毎月労働者の都合を聞きながらシフトを組んで出勤計画を作成する、小売店や飲食店などによく見られます。
この場合、社会保険の適用有無はどのように判断されるでしょうか。
当初から、見通しが週20時間以上なのであれば、最初から被保険者とする必要があるでしょう。
そうではなく、もともと週20時間未満の勤務とするつもりだったものの、結果的に週20時間以上の勤務が恒常的となった場合は、上記問18-2の答の取扱を準用し、3か月目から被保険者とする必要があると考えられます。
次に、週の労働時間がまちまちで、例えば同じ月でもある週は15時間、ある週は20時間、またある週は30時間、など、ばらつきが生じる事もあり得ます。この場合、週の労働時間数はどのように評価すべきでしょうか。
この場合、1カ月の労働時間を12分の52で除する事により、週平均労働時間数を算出します。12分の52は4.33...ですが、これは1ヶ月の平均的な週数を意味します。(1年=約52週を12カ月で除した数字)
従って、例えば1ヶ月の労働時間が80時間の場合、1週平均約18.5時間(80÷4.3)となり、20時間未満なので被保険者とはならない事となります。
■「雇用期間が2か月を超えて見込まれること」について
有期労働契約が2か月以内の臨時的なものであれば、要件に該当せず、被保険者とはなりません。
注意が必要なのは、有期労働契約を2か月としていても、実態として契約更新し引き続き使用する事が見込まれる場合は、雇入れの当初から被保険者としなければなりません。
具体的には、Q&Aの問22の2を参考にすると、雇用契約の期間を2か月以内で定めている場合であっても、次のいずれかにあてはまる場合は、雇入れの当初から被保険者となるものと考えられます。
① 就業規則、雇用契約書等その他書面においてその契約が更新される旨又は更新される場合がある旨が明示されていること
② 同一の事業所において同様の雇用契約に基づき雇用されている者が更新等により2か月を超えて雇用された実績があること
※ただし、①②のいずれかに該当するときであっても、労使双方により、1年以上雇用しないことについて合意しているときは、雇用期間が継続して2か月を超えて見込まれないこととして取り扱う
実際に更新するか否かは別としても、雇用契約の更新の有無に「更新される場合がある」と明記した場合は、2か月以内の労働契約であったとしても、原則として当初より社会保険の適用が必要となるため、注意が必要です。
■「賃金の月額が88,000円以上であること」について
基本給や諸手当の月額が88,000円以上の場合、被保険者となりますが、この金額算定の際には計算に含めない手当もあるので、注意が必要です。具体的には、次の手当等は含めません。
① 臨時に支払われる賃金(結婚手当等)
② 1月を超える期間ごとに支払われる賃金(賞与等)
③ 時間外労働に対して支払われる賃金、休日労働及び深夜労働に対して支払われる賃金(割増賃金等)
④ 最低賃金において算入しないことを定める賃金(精皆勤手当、通勤手当及び家族手当)
資格取得にあたり、標準報酬月額の基礎となる報酬には、上記③、④は基本的に含まれます。月額88,000円要件を判定する際の報酬の考え方とは差異があるため、注意が必要です。
ちなみに、社会保険の被扶養者の基準である「年収130万円※の壁」と対比して、「年収106万円の壁(およそ月額88,000円を12倍した額)」と言われる事が良くありますが、これは参考として年収表現しているだけであって、短時間労働者の被保険者判定にあたっては年収ではなく、あくまで月額88,000円で判定されます。
※認定対象者が60歳以上または障害厚生年金を受けられる程度の障害者の場合は180万円未満
ところで、社会保険被扶養者の基準である「年収130万円の壁」には、「賃金月額88,000円」の判定とは異なり、③、④も含めての判定となるため、その考え方の差異に注意が必要です。つまり、被扶養者認定の判定には、「通勤手当」なども含めて、年収130万円の判定が行われることとなります。
■「学生でないこと」について
いわゆる昼間学生(大学、高等学校、専修学校等に通う生徒または学生(夜間学部・夜間定時制等を除く))は原則として被保険者となりません。
なお、4分の3基準に該当する労働者(例:週30時間以上の所定労働時間等)については、昼間学生であっても従前同様に被保険者となるので注意が必要です。(昼間学生が除外されるのは、あくまで今回適用拡大される短時間労働者の場合となります)
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ここでまずは、法改正の対象となる事業所の考え方について、いくつか確認をします。
2022年10月から新たに常時100人超の事業所が「特定適用事業所」となり、そこに雇用される短時間労働者は被用者保険(以下、便宜的に単に「社会保険」といいます。)の被保険者となる事となります。
■事業所の人数は、法人全体でカウントするのか、それとも社会保険の適用事業所ごとにカウントするのか?
法人全体でカウントします。例えば一つの会社で二つの適用事業所を有しているとしても(例:本社およびA支社の2つの適用事業所を有するなど)、同一の法人番号を有しているのであれば、その合計で人数をカウントする必要があります。
なお、個人事業所の場合は、適用事業所ごとにカウントする必要があります。
■「常時100人超」の考え方は、厚生年金保険被保険者数で判定します
人数はすべての労働者ではなく、厚生年金被保険者の人数で判定します。週30時間以上(通常の労働者が週40時間の場合)の所定労働時間であるなど、従前より被保険者の要件を満たしている人数が100人を超えていれば、今回の法改正により特定適用事業所に該当、そうでなければ該当しないこととなります。
例えば、労働者数が200人、その内訳が(法改正前において)被保険者80人、それ以外のパートタイマーが120人、というような事業所であれば、2022年10月の時点では特定適用事業所に該当しない、よって短時間労働者は社会保険の対象外となります。
■「常時100人超」の考え方は、12カ月のうち6か月以上、100人を超える事が見込まれるか否かで判定します
年間の繁閑に応じて被保険者の人数が上下するなど、一定でない場合があります。
この場合、12カ月のうち6カ月以上、厚生年金保険被保険者の総数が100人を超える事が見込まれるか否かで判定します。
なお、少し話は変わりますが、法改正により特定適用事業所となる企業に対して、日本年金機構から事前にお知らせが届くのかどうかについて触れます。
前回の500人超の企業を特定適用事業所とすることとなった、2016年10月施行時の取扱いを参考にすると、今回の改正施行が迫る2021年8月頃に対象となる事業所には「特定適用事業所に該当する旨のお知らせ」が届き、同年10月頃に「特定適用事業所該当通知書」が届くものと思われます。また、この時の通知の発送対象は、直近10カ月(2020年10月~2021年7月)のうち6か月以上が被保険者100人超である事業所になるものと思われます。
また、特定適用事業所となった事業所は、被保険者とするべき短時間労働者を精査し、その者に係る被保険者資格取得届を日本年金機構(健保組合の場合は、併せて当該健保組合にも)に届け出る必要があります。
当事務所は、労働法務のプロフェッショナルとして、様々な労務相談に対応しております。人事労務管理でご不明な点やお悩みがありましたら、お気軽にご相談下さい。
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